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第31回日本門脈圧亢進症学会総会

会長挨拶

会長 近森 文夫の写真

第31回日本門脈圧亢進症学会総会
会長 近森 文夫
高知赤十字病院外科部長

このたび、第31回日本門脈圧亢進症学会総会を担当させていただくことになり、大変光栄に存じます。微力ではありますが、実り多き学術集会になりますよう精一杯務めさせていただく所存です。合同開催のBRTO・TIPS研究会、肝不全治療研究会、脾臓研究会の当番世話人の先生方とともに刺激的でおもしろい企画を目指したいと思います。また、本会期中に教育セミナー(中村真一教育委員長)を開催し、併せて門脈圧亢進症について幅広く勉強して頂けますようプログラムを企画中です。ホームページトップ画面からおわかりいただけるように、本総会のイメージカラーはブルーとさせていただきました。ブルー色はポジティブ・ネガティブ両イメージを持ちますが、空と海の色、そして静脈瘤の色で、本総会にかける私自身の思いを込めております。

正直なところ、総会開催時において自分は定年退職後非常勤の形で門脈圧亢進症の診療・研究に従事している身です。定年退職後に総合診療や管理職を目指すのではなく、なお自由に門脈圧亢進症診療・研究と向き合える道を選択いたしました。門脈圧亢進症に対する情熱は維持しているつもりではございますが、準備不足とならないよう今回は村上記念病院院長の村上匡人先生に副会長としてお手伝いいただいております。

これまで、多くの学会総会で、様々なテーマが掲げられましたが、会員の記憶に残るテーマは数少ないのではないでしょうか?そこで、本総会のテーマは、「Splanchnic caput Medusae」とさせていただきました。Point of no returnのように、記憶に残るキャッチコピーを目指しました。なぜ、今splanchnic caput Medusaeですか?と問われれば、その答えは門脈圧亢進症学会雑誌のeditorial(日門亢会誌 2020;26:137-142)で述べさせていただいておりますので御覧いただければ幸甚です。会長講演でも言及させていただければと思っております。

本学会は世界で唯一の「門脈圧亢進症:portal hypertension」に特化した学会です。本会は1968年 に発足した門脈外科研究会(1978年、門脈圧亢進症研究会に改名)と、1986年に発足した食道静脈瘤硬化療法研究会とが合体して、1994年に日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会(1999年、日本門脈圧亢進症学会に改名)となり今日に至っております。この間、多くの会員の努力により本領域は飛躍的に発展し、本症をとりまく状況は大きく様変わりしています。門亢症の患者さんたちは、一般診療患者さんたちよりもはるかに若いです。この患者さんたちを対象に、一人でも多く平均寿命到達を目指すところに日々のやりがいを感じています。内科、外科、放射線科、内視鏡科、病理診断科等、背景の異なる全ての会員が一堂に会し、現在の課題を克服するためのinnovationを創出しようではありませんか。

COVID-19の影響によりweb開催スタイルが導入されましたが、web開催では切磋琢磨の要の討論や刺激が物足りないように感じてきました。今回は、現地開催を予定しております。どうか高知にお越しください。9月は台風シーズンではございますが、無事現地開催:Go to門亢総会 in Kochi(高知&亢知)、となりますよう心から願っております。本総会では、症例報告も多く発表されますが、日常診療における「コロンブスの卵」的エッセンスがつまっていると思います。若手からベテランそしてシニアの先生方まで、開業医勤務医問わず、どうか奮って多数の演題登録とご参加をお願い申し上げます。

最後になりましたが、新理事長の吉田寛先生をはじめ理事、評議員、会員の皆様に心より御礼申し上げます。